体で愛することができないのか。
おれは懺悔する。
懺悔する。
おれはいつでも、くるしくなると懺悔する。
利根川の河原の砂の上に坐つて懺悔をする。

ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよ、ぴよと、空では雲雀の親たちが鳴いてゐる。
河原蓬の根がぼうぼうとひろがつてゐる。
利根川はぬすびとのやうにこつそりと流れてゐる。
あちらにも、こちらにも、うれはしげな農人の顔がみえる。
それらの顔はくらくして地面をばかりみる。
地面には春が疱瘡のやうにむつくりと吹き出して居る。

おれはいぢらしくも雲雀の卵を拾ひあげた。




子供は笛が欲しかつた。
その時子供のお父さんは書きものをして居るらしく思はれた。
子供はお父さんの部屋をのぞきに行つた。
子供はひつそりと扉《とびら》のかげに立つてゐた。
扉のかげにはさくらの花のにほひがする。

そのとき室内で大人《おとな》はかんがへこんでゐた、
大人《おとな》の思想がくるくると渦まきをした、ある混み入つた思想のぢれんま[#「ぢれんま」に傍点]が大人の心を痙攣《ひきつけ》させた。
みれば、ですく[#「ですく」に傍点]の上に突つ伏した大人の額を、いつのまに
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