十三夜
樋口一葉
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)例《いつも》は
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)我|良人《つま》のもとに
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「口+多」、第3水準1−15−2]《たら》しも
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)やれ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
上
例《いつも》は威勢よき黒ぬり車の、それ門に音が止まつた娘ではないかと兩親《ふたおや》に出迎はれつる物を、今宵は辻より飛のりの車さへ歸して悄然《しよんぼり》と格子戸の外に立てば、家内《うち》には父親が相かはらずの高聲、いはゞ私《わし》も福人の一人、いづれも柔順《おとな》しい子供を持つて育てるに手は懸らず人には褒められる、分外の慾さへ渇かねば此上に望みもなし、やれ/\有難い事と物がたられる、あの相手は定めし母樣《はゝさん》、あゝ何も御存じなしに彼のやうに喜んでお出遊ばす物を、何
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