倒《たお》れつしている。ふたりは走りよった。
「三ついるよ」
バクスターはさけんだ。じっさいそれは三頭であった。一頭は母で他の二頭は仔《こ》である。
「これはヴィクンヤだ」
とゴルドンがいった。
「ヴィクンヤに乳汁《ちち》があるだろうか」
「あるとも」
「よし、乳汁が飲めるな、ヴィクンヤ万歳!」
ヴィクンヤは形はやぎににて足は少し長く、毛はやぎより短く頭に角《つの》がない。ゴルドンはヴィクンヤをひき、バクスターは二つの仔《こ》をだいてテントへ帰ると、一同は喜び勇んで万歳をとなえた。生《なま》の牛乳にうえきったかれらとしては、さもあるべきことである。
ヴィクンヤの乳汁を夢みてこころよくねむった一同の夢は、ドノバンの声に破られた。夜明けに近い三時ごろである。
「気をつけイ」
「ど、ど、どうした」
一同はあわてて起きてドノバンにきいた。
「あの声をきけよ、ぼくらのテントをねらって、野獣《やじゅう》がやってくるようだ」
「うん、ジャガー(アメリカとら)か、クウガル(ひょうの属《ぞく》)だろう、どっちにしたところがたいしておそるるにおよばない、さかんにたき火をたけよ、かれらはけっしてた
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