に、そこはいぜん無辺《むへん》の海波びょうびょうとして天をひたしている、一|望《ぼう》目をさえぎるなにものもない、ぼくは胸底深くひめていた計画をはじめて発表した。
「諸君! ぼくはやはり、この島がアメリカ大陸に、近いと信ずる、チリー、もしくはペリコウにおもむかんとして、ホルン岬をすぐるところの汽船はきっと、航路をこの島の東方にとって、この沖をすぎなければならないと思うのだ。ぼくが諸君とともに、ここに居を定めんと決心したのは、一つはここで、これらの汽船を見張るためだったのだ、富士男は失望のあまりに、ここを失望湾と名づけた。けれどぼくはこの湾は長くぼくらを失望させないだろうと信ずる。むしろ希望の湾ではなかろうか。早晩《そうばん》、きっとぼくらは帆影《ほかげ》を沖に発見することができると信ずる」
 ぼくの演説《えんぜつ》は三人を歓喜《かんき》さした。
「さすがにドノバン君だ! えらい!」
 とイルコックがいった。
「そんな深い計画だとは思わなかった」
 とウエップがいった。
「そうだ、ぼくらは偉大《いだい》な首領をいただいて幸福だ、ぼくはいまドノバン君を大統領に推薦《すいせん》したいと思う」
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