びに、大木はゆさりゆさりと動いて、こずえは嵐《あらし》のごとく一|左《さ》一|右《ゆう》した。
 怪獣はラマという動物でらくだの属《ぞく》であるが、らくだほど大きくない。これを飼養《しよう》してならせばうまの代用になる。
「ラマだよ」
 とドノバンは笑ってサービスにいった。
「きみの乗馬にしたらどうだ」
「乗馬はもうこりごりだ」
 とサービスはいった。一同は笑ってラマをひきたてた。
 一同の遠征はけっしてむだでなかった、かれらは酒の原料や、茶の木を発見し、ヴィクンヤおよびラマを生けどり、飛び弾《だま》の使用法に熟達《じゅくたつ》した。一同が帰ったとき、洞《ほら》の外にひとり遊んでいたコスターはそれを見て、すぐ家の中へ走りいって富士男に知らしたので、富士男はるすいの一同をつれて洞外へむかえでた。たがいに相抱擁《あいほうよう》して万歳の声はしばらくやまなかった。
 ちょうどゴルドン一行が不在《ふざい》のあいだに、富士男はかねがね心にかかることがあるので、弟の次郎をひそかによんできいた。
「次郎君、きみはニュージーランドを出てからいつもふさぎこんでるが、なにか気になることがあるのかえ」
「なんでもありませんよ兄さん」
「なにか心配があるなら、ぼくにだけ話してくれないか」
「なんにもありません」
「いや、そんなことはない、みながそれで心配してるんだ、ぼくにうちあけてくれ」
「ぼくはね、兄さん」次郎はなにかいわんとしてくちびるを動かしかけたが、すぐ両眼《りょうがん》にいっぱいの涙をたたえ、「ごめんなさい兄さん、ぼくが悪いんです。ぼくが悪いんです」
「なにが悪いのだ」
 次郎はわっと泣きだした、それから富士男がなにをきいても答えなかった。
 一同がいろいろ苦心するにかかわらず、やっぱり食料は日一日とへっていった。このうえは大規模《だいきぼ》をもって食料|貯蓄《ちょちく》の方法をとらねばならぬと、富士男は決心した。かれはゴルドンとはかって、湖畔《こはん》や沼沢《しょうたく》や、森のなかに、ベッカリーやヴィクンヤ等の、大きなけものをとらうるにたるほどの、大じかけなおとし穴をつくることにした。
 年長組がこの大きなおとし穴をつくりつつあるあいだに、年少組はバクスターを首領《しゅりょう》にして、ヴィクンヤなどを入れておく小舎《こや》を建てることにむちゅうになった、小舎はサクラ号から持っ
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