に生ずる、アルガロッペと称《しょう》するもので、これも酒をつくることができる、一同はゴルドンの指揮《しき》に従《したが》って、この二種の木の実を採集《さいしゅう》した。
いまもう一つの木は茶《ちゃ》の木で、これもまた十分に採集した。
午後五時ごろ、一同は岩壁《がんぺき》の南のほう、一マイルのところまでくると、そこに一|条《じょう》の細い滝《たき》が、岩のあいだから落ちているのを見た。疑いもなくこれは、海にそそぐ川の源流《げんりゅう》である、日はだんだんかたむきかけたので、一同はここに一|泊《ぱく》することにきめた。
ゴルドンはバクスターとともに、めずらしい植え木の採集をしていると、とつぜん一方の木のあいだからふしぎな動物が、一隊をなしてぞろぞろと出てくるのを見た。
「なんだろう、あれは? やぎか」
とバクスターがいった。
「なるほど、やぎににた動物だな、とにかくつかまえようじゃないか」
「よしッ」
バクスターは例の飛び弾《だま》をくるくるとまわして、風をきって群らがる動物のまっただなかへ投げた。動物の群れはぱっとちったが、そのなかの一頭はたおれておきあがり、おきあがってはまた倒《たお》れつしている。ふたりは走りよった。
「三ついるよ」
バクスターはさけんだ。じっさいそれは三頭であった。一頭は母で他の二頭は仔《こ》である。
「これはヴィクンヤだ」
とゴルドンがいった。
「ヴィクンヤに乳汁《ちち》があるだろうか」
「あるとも」
「よし、乳汁が飲めるな、ヴィクンヤ万歳!」
ヴィクンヤは形はやぎににて足は少し長く、毛はやぎより短く頭に角《つの》がない。ゴルドンはヴィクンヤをひき、バクスターは二つの仔《こ》をだいてテントへ帰ると、一同は喜び勇んで万歳をとなえた。生《なま》の牛乳にうえきったかれらとしては、さもあるべきことである。
ヴィクンヤの乳汁を夢みてこころよくねむった一同の夢は、ドノバンの声に破られた。夜明けに近い三時ごろである。
「気をつけイ」
「ど、ど、どうした」
一同はあわてて起きてドノバンにきいた。
「あの声をきけよ、ぼくらのテントをねらって、野獣《やじゅう》がやってくるようだ」
「うん、ジャガー(アメリカとら)か、クウガル(ひょうの属《ぞく》)だろう、どっちにしたところがたいしておそるるにおよばない、さかんにたき火をたけよ、かれらはけっしてた
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