」
と富士男はさけんだ。
じっさいそのとおりである。ロック、コーブ、パイクの三人がだちょうの森で富士男の一隊をおそい、主力を牽制《けんせい》しているあいだに、海蛇《うみへび》、ブラント、ブルークの三人は、浅瀬《あさせ》づたいに川をわたって岩壁によじのぼり、川に面せる物置きの洞口の下におりてとつぜん洞を襲撃《しゅうげき》したのであった。
「グロース、ウエップ、ガーネットの三君は、ドノバン君を看護《かんご》して、ここにかくれていたまえ。わたしは富士男、ゴルドン、サービス、イルコックの四君とともに敵を撃退《げきたい》しよう」
イバンスは憤怒《ふんぬ》の朱《しゅ》を満面にそそいでいった。
「ゆこう」
五人はまっすぐに近路から走った、だがそれはすでにおそかった。海蛇《うみへび》は次郎を小わきにかかえて洞のなかから走りでた。それを、とりかえそうとケートは悲鳴《ひめい》をあげて海蛇にとりすがる。えいうるさいとばかりに海蛇はケートをはたとける、けられてもケートは一生けんめい、わが身の危険《きけん》を忘れて右に倒《たお》れ、左にころびながら、その手をはなさない。それと同時にいまひとりのブランドは、コスターを小わきにかかえて洞から出た。それをやらじとバクスターが狂気《きょうき》のごとくブランドにからみついている。
この悽惨《せいさん》たる危機《きき》にたいし、モコウと他の少年たちのすがたが見えぬのはふしぎである。あるいはみな殺されて、洞内に倒れているのではあるまいか。
海蛇とブランドは、ケートとバクスターをけとばして、もう川のほとりに出た。川にはブルークがすでに洞内からボートをぬすみだして、ふたりのくるのを待っている。もしかれらがふたりを人質《ひとじち》にとれば、あとはゆうゆう無理難題《むりなんだい》をしかけて十五少年を苦しめることになるだろう。
「ちくしょうめちくしょうめ」
イバンスは歯をくいしばった。だが発砲《はっぽう》すると次郎とコスターにあたるかもしれない。心は矢竹《やたけ》にはやれども、いまやどうすることもできない。
「さあこい、わしにつづけ」
イバンスは疾風《しっぷう》のごとく走った。海蛇とブランドははや川の岸にあがった。いま一足が舟のなかである。
「ああまにあわん」
イバンスがこういった、その一せつなである。先頭に立った富士男の愛犬フハンは、もうぜん足を
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