はわたしたちに食物と水をください、じつはけさから水一てきも口にしないのです、助けてください」
「よろしい、破船水夫は救助をもとめる権利がありますから、こっちへきなさい」
 四名はふたりをともなって洞に帰った。猛虎《もうこ》をひつじの家にみちびくようなものだった。
 ロックはひたいにむこう傷《きず》があり、一見してそのどうもうさの知れる相である。ホーベスはこれと反対に、どことなく人間らしいところがある。
 ふたりはしじゅうきわめてたくみに、遭難者《そうなんしゃ》になりすましている。少年たちの問いにきゅうすると、苦しそうに休息をもとめるが、その目はたえず周囲を見まわしている。かれらが洞にはいって、防備の厳重《げんじゅう》なのを見て、おどろきの色をあらわしたのを、慧眼《けいがん》なゴルドンと、富士男は見のがさなかった。
 少年たちはふたりを物置きの洞にみちびいて、その片すみに寝さした。ふたりは極度《きょくど》に疲労《ひろう》した人のように、鼾声《かんせい》をあげて早くも熟睡《じゅくすい》した。
 九時ごろにモコウは、ふたりの寝ている洞の片すみに、床をのべてねむりについたが、最前からたぬき寝入りのふたりはモコウに対しては、いっこうむとんちゃくであった。むろん腕力じまんのかれらには、モコウをひねりつぶすくらいは朝|飯《めし》まえのことである。モコウばかりでない、他のものとても、ことごとく少年ばかりだ、かれらにとっては、おそろしいものがあるべきはずがない。
 三時間は過ぎた。ちょうど十二時になったとき、ふたりはじょじょに身をおこし、抜き足しながら戸口に進んだ、天井《てんじょう》からつりさがっているともしびが、かれらの行動をあきらかに照らしている。
 川に面した物置きの戸は、かんぬきをかたくさしたうえに戸が外からあかないように、大石を積みかさねてある。ふたりはしずかに大石をとりのぞいて、まさにかんぬきに手をかけようとしたとき、一個の腕がしっかりとロックの手をとらえた。
 ロックはおどろいて首をまわすと、死んだはずの運転士イバンスが立っている。
「ああイバンス」
「諸君きたまえ」
 イバンスの声をきいて、ただちに出てきた富士男、ドノバン、バクスター、グロースの四人はホーベスをとらえて動かない。
 ロックは力かぎりイバンスとあらそっていたが、その手をふりほどくと、戸をおしひらくやいな
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