に笑った。
「元気にやろうよ」
「快活《かいかつ》にやるよ」
「じゃその第一歩に元気に笑おう」
「よし!」
と富士男が力強く応じた。
「一、二、三、ハハハハ」
「ハハハハ」
春の日は西にうすずいて、最後の残光を林に投げ、ふたりのほがらかな笑い顔に送った。
「やあやあここでしたか」
とモコウがとんできた。
「食事ですよ」
かれはひさしぶりの富士男の笑い顔を見て、目を白黒さした、事件以来あおざめてゆく主人のようすに、やきもきと心配していたのだった。
「モコウ、鼻のおできはもうなおったのか?」
富士男はゴルドンのさっきのことばを思いだした。
「おでき?」
とモコウがふしぎそうに鼻をつまんだ。
「そんなもの、できやしませんよ」
「ハハハハ、昔々、モコウ君の鼻にまっかなおでき[#「おでき」に傍点]がふきでました。それがとつぜん噴火《ふんか》したので、あとがまッ黒にこげてしまいました。ハハハハ」
こういってゴルドンが笑った。
「そうか、そうだったのか」
富士男はいまゴルドンが自分を快活《かいかつ》にみちびこうとして、笑話《しょうわ》をつくったのだとはじめてわかった。
「ひどいな、ゴルドンさん」
とモコウがもう一度、鼻をつまんで鳴らした。
「ハハハハ」
「ハハハハ」
晩餐《ばんさん》が和気《わき》あいあいのうちにおわった。モコウが気をきかして食前にくばったぶどう酒の一杯が、一同のほおをあかくそめた。心はうきうきと楽しい。と沈黙家《ちんもくか》で少年工学博士バクスターがとつぜん立ちあがった。
「諸君、ぼくはぼくらが一日も早く助かるために一つの発明をした」
パチパチと拍手《はくしゅ》がとんだ。
「拍手なんかしちゃ、あとの話ができないよ」
とバクスターが、あかくなった。
「どんな発明だい」
「早く発表してくれたまえ」
一同は好奇の眼をみはってうながした。
「それはほかでもない。あの希望が岡の信号球は、海面を抜くことわずかに六十メートルにすぎない、これは連盟島のきわめて近距離《きんきょり》のあいだを航海する船だけにしかみることができない。いまもしぼくらが水平線上に船隻《せんせき》を発見したとしても、拱手《きょうしゅ》して見送るよりほかはない。さいわいぼくらは多くの帆布《ほぬの》やリンネルをもっている、これを有効《ゆうこう》に用いて、ここに一個の大だこをつくり、もっ
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