はウエップとイルコックのふたりとともに毎日小鳥がりをつづけた。
 ゴルドンはみずから主となってだちょうの森へいってまきを採伐《さいばつ》し、二頭のラマをつかって運搬《うんぱん》をしたので、六ヵ月分以上のまきの貯蓄ができた。
 このあいだにもゴルドンは例の日課の勉強だけは一度も休まなかった、一週に二度の討論会《とうろんかい》もつづけた。討論会ではいつもドノバンが能弁《のうべん》をふるって一同をけむにまいた。
 ある日、四月二十五日の午後、少年連盟の上にとりかえしのつかぬ不詳《ふしょう》の事件がおこった。それはほんのささいな輪《わ》投げの遊戯からの衝突《しょうとつ》である。
 輪投げというのは平地の上に二本の棒を立て、一定の距離《きょり》をとってこの棒にはまるように木製の輪を投げるのである。
 リーグ戦の一方は富士男、バクスター、サービス、ガーネットの一隊で、一方はドノバン、ウエップ、イルコック、グロースの四人である。
 最初は合計七点で富士男組が勝った、つぎは六点でドノバン組が勝った。最後の決勝! それこそきょうの晴れの勝負である。幼年組が熱中するにつれて年長組もだんだん昂奮《こうふん》してきた。一点また一点、双方が五点ずつとなった、しかも残ったのは両軍ともひとりずつすなわちドノバンと富士男の一|騎打《きう》ちである。
「ドノバン、しっかりたのむよ、負けたらたいへんだ、どうだね」
 ウエップはむちゅうにさけんだ。
「だいじょうぶだよ、ぼくの手並みを見ておれ」
 ドノバンはどんな小さなことでも他人に負けるのがきらいであった。それだけかれは不屈不撓《ふくつふとう》の気魄《きはく》をもっているのだが、ときとして負けるのがいやさにずいぶん卑劣《ひれつ》な手段《しゅだん》を用うることがある。
 かれは輪に手を持ったまま、きっとくちびるをむすんで鉄の棒をにらんだ。もしかれが勝負を度外においてただ遊戯本位に考えをまとめ、負けてもきれいに負けようという気になって胸をしずめたなら、十分に成功したかもしれないのであった。負けたくない負けたくないといういらいらした気分が頭にせりあがるために、かれの神経《しんけい》はつりあいを失いねらいを正確に定めることができなかった。
 かれは矢声《やごえ》をはなって輪を投げた、輪はくるくると旋回《せんかい》して棒の頭にはまらんとしてかすかにさすったまま地
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