海上は大抵上に説けるが如し。もとより一朝の略説甚だ尽さゞるありといへども大概《おおよそ》はけだし叙し去りたるならん。往時《むかし》後魏の※[#「麗+おおざと」、第3水準1−92−85]善長《れきぜんちよう》は峻峭耿介《しゆんしようこうかい》にして博覧彊記、天下の奇書を読破して水経の註四十巻を著しゝが、後終に陰磐駅に囲まれて水を得ずして力屈し、賊のために殺さるゝに至りしことあり。予今水の東京を談《かた》るといへども、談つて甚だ詳しからず、必ずや水を得ざるの惨にあふことなからん。呵※[#二の字点、1−2−22]。[#地から3字上げ](明治三十五年二月)
底本:「一国の首都 他一篇」岩波文庫、岩波書店
1993(平成5)年5月17日第1刷発行
1999(平成11)年11月8日第2刷発行
底本の親本:「露伴全集 第二十九巻」岩波書店
1954(昭和29)年12月
入力:八巻美恵
校正:染川隆俊
2001年8月1日公開
2005年12月7日修正
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