4水準2−13−28]《さ》せ、辛張り棒を強く張れと家々ごとに狼狽《うろた》ゆるを、可愍《あわれ》とも見ぬ飛天夜叉王、怒号の声音《こわね》たけだけしく、汝ら人を憚《はばか》るな、汝ら人間《ひと》に憚られよ、人間は我らを軽《かろ》んじたり、久しく我らを賤《いや》しみたり、我らに捧《ささ》ぐべきはずの定めの牲《にえ》を忘れたり、這《は》う代りとして立って行く狗《いぬ》、驕奢《おごり》の塒巣《ねぐら》作れる禽《とり》、尻尾なき猿、物言う蛇、露|誠実《まこと》なき狐の子、汚穢《けがれ》を知らざる豕《いのこ》の女《め》、彼らに長く侮られてついにいつまで忍び得ん、我らを長く侮らせて彼らをいつまで誇らすべき、忍ぶべきだけ忍びたり誇らすべきだけ誇らしたり、六十四年はすでに過ぎたり、我らを縛せし機運の鉄鎖、我らを囚《とら》えし慈忍の岩窟《いわや》はわが神力にてちぎり棄《す》てたり崩潰《くずれ》さしたり、汝ら暴《あ》れよ今こそ暴れよ、何十年の恨みの毒気を彼らに返せ一時に返せ、彼らが驕慢《ほこり》の気の臭さを鉄囲山外《てついさんげ》に攫《つか》んで捨てよ、彼らの頭《こうべ》を地につかしめよ、無慈悲の斧の刃味のよさを彼らが胸に試みよ、惨酷《ざんこく》の矛、瞋恚《しんい》の剣の刃糞《はくそ》と彼らをなしくれよ、彼らが喉《のんど》に氷を与えて苦寒に怖れ顫《わなな》かしめよ、彼らが胆に針を与えて秘密の痛みに堪えざらしめよ、彼らが眼前《めさき》に彼らが生《な》したる多数《おおく》の奢侈《しゃし》の子孫を殺して、玩物《がんぶつ》の念を嗟歎《さたん》の灰の河に埋めよ、彼らは蚕児《かいこ》の家を奪いぬ汝ら彼らの家を奪えや、彼らは蚕児の知恵を笑いぬ汝ら彼らの知恵を讃せよ、すべて彼らの巧みとおもえる知恵を讃せよ、大とおもえる意《こころ》を讃せよ、美わしとみずからおもえる情を讃せよ、協《かな》えりとなす理を讃せよ、剛《つよ》しとなせる力を讃せよ、すべては我らの矛の餌《え》なれば、剣の餌なれば斧の餌なれば、讃して後に利器《えもの》に餌《か》い、よき餌をつくりし彼らを笑え、嬲《なぶ》らるるだけ彼らを嬲れ、急に屠《ほふ》るな嬲り殺せ、活《い》かしながらに一枚一枚皮を剥《は》ぎ取れ、肉を剥ぎとれ、彼らが心臓《しん》を鞠《まり》として蹴よ、枳棘《からたち》をもて背を鞭《う》てよ、歎息の呼吸《いき》涙の水、動悸《どうき》
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