以《もっ》て命じて之を出《いだ》さしむ。衍|頓首《とんしゅ》して謝し、尋《つい》で卒すと。篋中《きょうちゅう》の朱書、道士の霊夢、王鉞《おうえつ》の言、呉亮《ごりょう》の死と、道衍の請《こい》と、溥洽の黙《もく》と、嗚呼《ああ》、数たると数たらざると、道衍|蓋《けだ》し知ることあらん。而《しか》して楡木川《ゆぼくせん》の客死《かくし》、高煦《こうこう》の焦死《しょうし》、数たると数たらざるとは、道衍|袁※[#「王+共」、第3水準1−87−92]《えんこう》の輩《はい》の固《もと》より知らざるところにして、たゞ天|之《これ》を知ることあらん。



底本:「日本の文学3 五重塔・運命」ほるぷ出版
   1985(昭和60)年2月1日初版第1刷発行
底本の親本:「幽秘記」改造社
  1925(大正14)年6月発行
※JIS X 0213にもない文字の一部に、字体表現の参考資料として、「※[#「木+爽」、UCS−6A09、252−3]」のように、Unicodeを添えました。
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
※疑問箇所の確認にあた
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