]刺※[#「執/糸」、UCS−7E36、293−5]《ししつ》し、備《つぶ》さに苦毒を極め、迫りて臣|不軌《ふき》を謀ると言わしめ、遂に宋忠、謝貴、張※[#「日/丙」、第3水準1−85−16]等を北平城の内外に分ち、甲馬は街衢《がいく》に馳突《ちとつ》し、鉦鼓《しょうこ》は遠邇《えんじ》に喧鞠《けんきく》し、臣が府を囲み守る。已《すで》にして護衛の人、貴※[#「日/丙」、第3水準1−85−16]《きへい》を執《とら》え、始めて奸臣|欺詐《ぎさ》の謀を知りぬ。窃《ひそか》に念《おも》うに臣の孝康《こうこう》皇帝に於《お》けるは、同父母兄弟なり、今陛下に事《つか》うるは天に事うるが如きなり。譬《たと》えば大樹を伐《き》るに、先ず附枝《ふし》を剪《き》るが如し、親藩既に滅びなば、朝廷孤立し、奸臣志を得んには、社稷《しゃしょく》危《あやう》からん。臣|伏《ふ》して祖訓を覩《み》るに云《い》えることあり、朝《ちょう》に正臣無く、内に奸悪あらば、則《すなわ》ち親王兵を訓して命を待ち、天子|密《ひそ》かに諸王に詔《みことのり》し、鎮兵を統領して之を討平せしむと。臣謹んで俯伏《ふふく》して命を俟《ま》つ、と言辞を飾り、情理を綺《いろ》えてぞ奏しける。道衍|少《わか》きより学を好み詩を工《たくみ》にし、高啓《こうけい》と友とし善《よ》く、宋濂《そうれん》にも推奨《すいしょう》され、逃虚子集《とうきょししゅう》十巻を世に留めしほどの文才あるものなれば、道衍や筆を執りけん、或《あるい》は又金忠の輩や詞《ことば》を綴《つづ》りけん、いずれにせよ、柔を外にして剛を懐《いだ》き、己《おのれ》を護《まも》りて人を責むる、いと力ある文字なり。卒然として此《この》書《しょ》のみを読めば、王に理ありて帝に理なく、帝に情《じょう》無くして王に情あるが如く、祖霊も民意も、帝を去り王に就く可《べ》きを覚ゆ。されども擅《ほしいまま》に謝張を殺し、妄《みだり》に年号を去る、何ぞ法を奉ずると云わんや。後苑《こうえん》に軍器を作り、密室に機謀を錬る、これ分《ぶん》に循《したが》うにあらず。君側の奸を掃《はら》わんとすと云うと雖《いえど》も、詔無くして兵を起し、威を恣《ほしいまま》にして地を掠《かす》む。其《その》辞《じ》は則《すなわ》ち可なるも、其実は則ち非なり。飜って思うに斉泰黄子澄の輩の、必ず諸王を削奪せんとす
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