ほう》 枳《からたち》に栖《す》むと、
豈《あに》同じからんや 魚の※[#「网/卯」、354−11]《やな》に在《あ》るに。
藜※[#「くさかんむり/霍」、第3水準1−91−37]《れいかく》 我《わが》腸《はらわた》を充《みた》し、
衣《い》蔽《やぶ》れて 両肘《りょうちゅう》露《あら》はる。
※[#「くさかんむり/(止+頁+巳)/夂」、第3水準1−15−72]龍《きりゅう》 高位に在り、
誰《たれ》か来《きた》りて 可否を問はん。
盤旋《ばんせん》す 草※[#「くさかんむり/奔」、UCS−83BE、356−4]《そうもう》の間《あいだ》に、
樵牧《しょうぼく》 日に相《あい》叩《たた》く。
嘯詠《しょうえい》 寒山《かんざん》に擬し、
惟《ただ》 道を以て自負す。
忍びざりき 強ひて塗抹《とまつ》して、
乞《こい》媚《こ》びて 里婦《さとのおんな》に効《なら》ふに。
山霊 蔵《かく》るゝことを容《ゆる》さず、
辟歴《はたたがみ》 岡阜《こうふ》を破りぬ。
門を出《い》でゝ 天日を睹《み》る、
行也《こうや》 焉《いずく》にぞ 肯《あえ》て苟《いやしく》もせん。
一挙して 即ち北に上《のぼ》れば、
親藩 待つこと惟《これ》久しかりき。
天地 忽《たちま》ち 大変して、
神龍 氷湫《ひょうしゅう》より起る。
万方 共に忻《よろこ》び躍《おど》りて、
率土《そっと》 元后《げんこう》を戴《いただ》く。
吾《われ》を召して 南京《なんけい》に来らしめ、
爵賞加恩 厚し。
常時 天眷《てんけん》を荷《にな》ふ、
愛に因《よ》って 醜《しゅう》を知らず。(下略)
[#ここで字下げ終わり]
嘯詠寒山《しょうえいかんざん》に擬すの句は、此《この》老《ろう》の行為に照《てら》せば、矯飾《きょうしょく》の言に近きを覚ゆれども、若《もし》夫《そ》れ知己に遇《あ》わずんば、強項《きょうこう》の人、或《あるい》は呉山《ござん》に老朽を甘《あま》んじて、一生|世外《せいがい》の衲子《とっし》たりしも、また知るべからず、未《いま》だ遽《にわか》に虚高《きょこう》の辞を為《な》すものと断ず可《べ》からず。たゞ道衍の性の豪雄なる、嘯詠吟哦《しょうえいぎんが》、或《あるい》は獅子《しし》の繍毬《しゅうきゅう》を弄《ろう》して日を消するが如《ごと》くに、其《その》身を終ることは之《これ》有るべし
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