身を竦《そばだ》てゝ 雲衢《くものちまた》に入る、
一錫《ひとつのつえ》 游龍《うごけるりゅう》の如し。
笠《かさ》は衝《つ》く 霏々《ひひ》の霧、
衣《い》は払ふ ※[#「風にょう+叟」、第4水準2−92−38]々《そうそう》の風。
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の句あり。身を竦《そばだ》てゝの句、颯爽《さっそう》悦《よろこ》ぶ可《べ》し。其《その》末《すえ》に、

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江天《こうてん》 正に秋清く、
山水 亦《また》容《すがた》を改む。
沙鳥《はまじのとり》は 烟《けむり》の際《きわ》に白く、
嶼葉《しまのこのは》は 霜の前に紅《くれない》なり。
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といえる如《ごと》き、常套《じょうとう》の語なれども、また愛す可《べ》し。古徳と同じゅうせんと欲するは、是《こ》れ仮《か》にして、淮楚《わいそ》浙東《せっとう》に往来せるも、修行の為《ため》なりしや游覧《ゆうらん》の為なりしや知る可からず。然《しか》れども詩情も亦《また》饒《おお》き人たりしは疑う可からず。詩に於《おい》ては陶淵明《とうえんめい》を推《お》し、笠沢《りゅうたく》の舟中《しゅうちゅう》に陶詩《とうし》を読むの作あり、中《うち》に淵明を学べる者を評して、

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応物《おうぶつ》は趣《おもむき》 頗《すこぶる》合《がっ》し、
子瞻《しせん》は 才 当るに足る。
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と韋《い》、蘇《そ》の二士を挙げ、其《その》他《た》の模倣者《もほうしゃ》を、

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里婦《りふ》 西《せい》が顰《ひそみ》に効《なら》ふ、
咲《わら》ふ可し 醜《しゅう》愈《いよいよ》張る。
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と冷笑し、又|公暇《こうか》に王維《おうい》、孟浩然《もうこうぜん》、韋応物《いおうぶつ》、柳子厚《りゅうしこう》の詩を読みて、四|子《し》を賛する詩を為《な》せる如き、其の好む所の主とするところありて泛濫《へんらん》ならざるを示せり。当時の詩人に於ては、高啓《こうけい》を重んじ、交情また親しきものありしは、|奉[#レ]答[#二]高季迪[#一]《こうきてきにこたえたてまつる》、|寄[#二]高編脩[#一]《こうへんしゅうによす》、|賀[#二]高啓生[#一レ]子《こうけいのこをうめるをがす》、|訪[#二]高啓鍾山寓舎[#一]
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