の紅《べに》の板《いた》。
其れを紅差指《べにさしゆび》で弟の唇に。
一寸《ちょいと》四辺《あたり》を※[#「目+句」、第4水準2−81−91]《みまわ》して又唇に。
花の薫《かおり》が馥郁《ふくいく》として、金坊《きんぼう》は清々《せいせい》して、はツと我に返つた。あゝ、姉が居なければ、少くとも煩《わずら》つたらう。
底本:「日本幻想文学集成1 泉鏡花」国書刊行会
1991(平成3)年3月25日初版第1刷発行
1995(平成7)年10月9日初版第5刷発行
底本の親本:「泉鏡花全集」岩波書店
1940(昭和15)年発行
初出:「文芸界」
1901(明治34)年6月
※ルビは新仮名とする底本の扱いにそって、ルビの拗音、促音は小書きしました。
※初出時の表題は「部屋の弟」です。
入力:門田裕志
校正:川山隆
2009年5月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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