》していろんなこと思《おも》つて見《み》ると、また殊《こと》にものなつかしい、あのおかしな顔《かほ》早《はや》くいつて見たいなと、さう思《おも》つて、窓《まど》に手《て》をついてのびあがつて、づゝと肩《かた》まで出《だ》すと※[#「さんずい+散」、53−4]《しぶき》がかゝつて、眼《め》のふちがひやりとして、冷《つめ》たい風《かぜ》が頬《ほゝ》を撫《な》でた。
爾時《そのとき》仮橋《かりばし》ががた/\いつて、川面《かはづら》の小糠雨《こぬかあめ》を掬《すく》ふやうに吹《ふ》き乱《みだ》すと、流《ながれ》が黒《くろ》くなつて颯《さつ》と出《で》た。トいつしよに向岸《むかふぎし》から橋《はし》を渡《わた》つて来《く》る、洋服《やうふく》を着《き》た男《をとこ》がある。
橋板《はしいた》がまた、がツたりがツたりいつて、次第《しだい》に近《ちか》づいて来《く》る、鼠色《ねづみいろ》の洋服《やうふく》で、釦《ぼたん》をはづして、胸《むね》を開《あ》けて、けば/\しう襟飾《えりかざり》を出《だ》した、でつぷり紳士《しんし》で、胸《むね》が小《ちひ》さくツて、下腹《したつぱら》の方《ほう》が図《づ
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