ヴエット・ロシアの彫刻された遊園地には早くも新らしい帝政時代の地図がかかっている。
私達階廊昇りつめると、そこにはデーマン大佐の専制。公園から吹き来る風に音もなく扉《ドア》が明滅するのであるがそのたびに、波高い鏡に映る危険な寝床に橋がかかっていた。
底本:「吉行エイスケ作品集」文園社
1997(平成9)年7月10日第1刷発行
底本の親本:「吉行エイスケ作品集※[#ローマ数字1、1−13−21] 地図に出てくる男女」冬樹社
1977(昭和52)年9月30日第1刷発行
※底本には「吉行エイスケの作品はすべて旧字旧仮名で発表されているが、新字新仮名に改めて刻んだ。このさい次の語句を、平仮名表記に改め、難読文字にルビを付した。『し乍ら→しながら』『亦→また』『尚→なお』『儘→まま』『…の様→…のよう』『…する側→…するかたわら』『流石→さすが』。また×印等は当時の検閲、あるいは著者自身による伏字である。」との注記がある。
入力:田辺浩昭
校正:地田尚
2001年2月19日公開
2009年3月23日修正
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