田丸先生の追憶
寺田寅彦
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)掩散《えんさん》したがる
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)秋|熊本《くまもと》高等学校に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から3字上げ](昭和七年十二月、理学部会誌)
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)レペルトアルは、〔Sta:ndchen, Am Meer, Im Dorfe, Doppelga:nger, … etc.〕 であった。
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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なくなってまもない人の追憶を書くのはいろいろの意味で困難なものである。第一には、時のパースペクティヴとでもいうのか、近いほうの事がらの印象が遠い以前のそれを掩散《えんさん》したがる傾向がある。第二には、近いほうの事を書こうとすると自然現在の環境の中でのいろいろの当たりさわりが生じやすい。第三には、いったいそういうものを書こうというような気持ち
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