評を毎年つづけて書けば、結局同じような事を繰返すことになりそうですから、少し趣向を変えてと思ったのが丁度その時の気分でこんなものになってしまいました。しかしとにかくこのために一日わざわざ見に行ったのでしたが、その日はまた特別に蒸暑い日だったので頭がぼんやりして、そして気分が悪くなって帰って来て、すぐに机に向っていたら自然にこんな「詩」が生れました。自分でも何の事だか分らないが、しかしその日のその時刻の私のある感じだけは出ているようだから、ともかくも御目にかけます。御取捨御自由に願います。
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[#地から1字上げ](昭和三年十一月『霊山美術』)



底本:「寺田寅彦全集 第八巻」岩波書店
   1997(平成9)年7月7日発行
底本の親本:「寺田寅彦全集 文学篇」岩波書店
   1985(昭和60)年
初出:「霊山美術」
   1928(昭和3)年11月
※初出時の署名は「寅日子」です。
入力:Nana ohbe
校正:松永正敏
2006年7月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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