の知識を無視して無闇《むやみ》に突飛《とっぴ》な事を考えるような傾向を生ずる恐れがある。この種の人は正式の教育を受けない独創的気分の勝った人に往々見受ける事で甚だ惜しむべき事である。とにかく簡単なことについて歴史的に教えることも幾分加味した方が有益だと確信するのである。[#地から1字上げ](大正七年十月『理科教育』)



底本:「寺田寅彦全集 第五巻」岩波書店
   1997(平成9)年4月4日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:Nana ohbe
校正:浅原庸子
2005年5月7日作成
青空文庫作成ファイル:
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