ある以上は、いつもいつもこういう実験科学的な考え方ばかりしている訳にはゆかない。時には「希望」と「正義」とを混同することも免れない。そうして、その結果、色々面倒な葛藤の起ることも止むを得ないであろう。しかし、ともかくも、一度も科学者流にこういう風の考え方をしたことのない人もあるとしたら、そういう人にとっては、上記のような半面的な見方の可能だという事実が、あるいは何かの参考になるかもしれないと思うのである。
[#地から1字上げ](昭和八年九月『鉄塔』)
底本:「寺田寅彦全集 第五巻」岩波書店
1997(平成9)年4月4日発行
底本の親本:「寺田寅彦全集 文学篇」岩波書店
1985(昭和60)年
初出:「鉄塔」
1933(昭和8)年9月1日
※初出時の署名は「尾野倶郎」です。
入力:Nana ohbe
校正:青野 弘美
2006年10月16日作成
青空文庫作成ファイル:
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