ネ子音分類をする。すなわち(k, g, h, f)と(t, d, s, z)とを対立させると子音群数は Q = 7 となる。この場合 N(CC) = 48 であって m = 9(火山名略)であるから R = 7.6 となる。
次には Yuwoo, Yuwao, Yufu を取り三つの「硫黄《いおう》」を名とする火山を三つに数えると n = 5 となり、子音数9とすれば R = 5×72÷47 = 7.5 となる。
以上の場合に得たRの価はいずれも1に対して相当多いものである。従って単なる偶然と見る事は少しむつかしく思われて来るのである。もちろんこれらが全部関係があるということは言われないが、これらのうち若干は連関しているであろうということを暗示するには充分であると思う。それでもし偶然でないとすれば以上にあげたような言語要素がいろいろな形で他の火山名の中にも現われていはしないかと思われる。また一方で同じ要素が南洋その他の方面にありはしないかと思われる。また南洋の言語中には従来の言語学者の説のごとく世界じゅうの言語が混合しているとすれば逆に遠い外国の意外のへんにも同じ要素が認められはし
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