t has been thrown[#「preserved」の部分はイタリック体]
Into the proper motions, …………………[#「proper motions」の部分はイタリック体]
[#ここで字下げ終わり]
という言葉である。これは言い換えると、偶然の産物に或《あ》る「選択の原理」が作用する事を意味する。この選択を行なう魔物は何であるか。これについては彼は何も述べていない。しかしそういうものの存在をここで暗示しているものと見るのははたして不倫であろうか。マクスウェルのデモンはあるいはまさにその一つの魔物ではあり得ないか。
二
第二巻においてルクレチウスは元子の運動の状況や、その形状や結合の機巧等を前よりも詳しく具体的に記述しているのである。
例によって冒頭には、富貴権勢は幸福の源泉でなくて、かえって不幸の種である。ただ理知による真理の探究が真の心の平静を与えるものだという意味の前置きがある。そして前にあげた四行のリフレインが再び繰り返されている。
元子は結合するが、その結合は固定的ではなく、不断に入れ代わり、離れまた捕われる。etern
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