、空しく探す眼付になりながら、うしろからつけて来るらしいカラ子のことは瞬間忘れていた。
「いない」
 しかし、もしかしたら中之島公園にいるかも知れないという藁のようなはかない希望は、北山の足を中之島公園へ連れて行った。
 北山は公園の中をぐるぐると歩きまわった。白粉をどんなに濃く塗ってもかくし切れないアザは、どの娘の眼の下にも見当らなかった。
 ぐるぐると歩きながら、北山は孤独な自分の足音をきいていた。気の遠くなるようなさびしさに足をすくわれて、北山は急に立ち停った。そして振り向いた。カラ子が立っていた。
「なぜおれをつけるんだ……?」
 北山は自分でも不思議なくらい荒々しい力で、いきなりカラ子の肩を掴んだ。その時、パーン、パーンと銃声が聴えた。

      八

「花火だな」
 と、北山はその銃声を遠い想いで聴いた。中之島公園は真中を淀川が流れ、花火を連想させる。げんに二月ほど前、この公園で水都祭が催され、お祭り好きがお祭り騒ぎの花火を揚げたのだった。だから、銃声とは聴かなかった。
「お、お、お前、京都から、お、お、おれをつけて来たんだろう」
 なぜつけた――と、北山は昂奮に吃りな
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