に出るのは適当じゃないと思いますので、なるべく社内でやるような仕事をしたいと思います」正直な言葉だった。
「内勤か?」編輯長は不機嫌に口をとがらした。
「内勤はいま一杯ふさがっとる。校正やったら一人欠員があるけど――」校正と聞いて、豹一はぞっとした。畳新聞社で二年間毎日やっていた校正の辛さが想出された。豹一はあわてて言った。
「外勤でも結構です」
「――そうか。そんならひとつ気張ってやってんか。――そんなら今日はこれで帰って良えぜ。あした朝九時に来てんか。いま皆外へ出てるよって、あした皆に紹介することにしよう」
 豹一ははっとした。じつは面会の時間は九時と通知されていたのだが、例の癖で一時間以上遅れたのである。それを一言も咎めなかった編輯長に、豹一は好感をもった。
「じゃあ、あした来ます。九時ですね」
「そうしてエ」
 局長室を出た途端に、豹一は、「やあ」と、声を掛けられた。筆記試験の時壇上で妙な演説をやった男だった。
「君、入社したんですか」
「はあ」
「今日は用事ないんでしょう?」
「はあ」
「あったって構わん。お茶のみに行こう」男はさっさと階段を降りて行った。豹一もうしろからつい
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