り凧」と俗に唱えて、この時分に凧を揚げると笑われたものであった。
さておしまいに、手元に書きとめてある凧の句を二ツ三ツ挙げて見よう。
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えた村の空も一つぞ凧《いかのぼり》 去来
葛飾や江戸を離れぬ凧 其角
美しき凧あがりけり乞食小屋 一茶
物の名の鮹や古郷のいかのぼり 宗因
糸つける人と遊ぶや凧 嵐雪
今の列子糸わく重し人形凧 尺草
[#ここで字下げ終わり]
[#地から1字上げ](大正七年一月『趣味之友』第二十五号)
底本:「梵雲庵雑話」岩波文庫、岩波書店
1999(平成11)年8月18日第1刷発行
※「ぶか」のあとに編集部の注記がありますが、除きました。
※本作品中には、身体的・精神的資質、職業、地域、階層、民族などに関する不適切な表現が見られます。しかし、作品の時代背景と価値、加えて、作者の抱えた限界を読者自身が認識することの意義を考慮し、底本のままとしました。(青空文庫)
入力:小林繁雄
校正:門田裕志
2003年2月9日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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