P−86−75]罷去。
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『鬼董』には荒誕な記事も多いが、林千之のことは、『賓退録』を始め、宋元の記録に散見して居るから、當時一般に事實として信用されたらしい。この記事を如何程信用すべきかはしばらく措き、明清時代の記録にも、之と類似の事實が往々發見される。明律に採生折割人の條項があつて、生人の臟腑を取つて人體を毀損する者に對する刑罰を述べて、
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凡採[#レ]生折[#二]割人[#一]者。凌遲處[#レ]死。財産斷[#二]付死者之家[#一]。妻子及同居家口。雖[#レ]不[#レ]知[#レ]情。竝流二千里安置。爲[#レ]從者斬(『明律』卷十九、人命部)。
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とある。『清律』も全然同一である。隨分の重罰で、人の心肝を採取する者は、この罰を受けねばならぬ。之に拘らずこの條項を犯す者が尠くない(『大清律例集要新編』卷二十五下參看)。豈に驚くべきではないか。
十二
古代に溯ると Cannibalism は、存外廣く諸國民の間に行はれて居つた。中古時代のヨーロッパ人の間にも、この蠻風が存在したといふ。否中古に限ら
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