閧フうちには、この世界の大きな謎《なぞ》が潜んでいるのだ。おまえがもし『地上のパン』を受け入れたなら、個人および全人類に共通な永遠の悩み、――※[#始め二重括弧、1−2−54]何人を崇拝すべきか?※[#終わり二重括弧、1−2−55]という疑問に対して、回答を与えることになったのだ。自由になった人間にとって、最も苦しい、しかも絶え間なき問題は、一刻も早く自分の崇むべき者を捜し出すことである。しかし、人間という者は議論の余地なく崇拝に値する者を求めている、万人ことごとく打ちそろって、一時にその前にひざまずき拝し得るような、絶対的に崇むるに足る対象を求めているのだ。これらの哀れな被造物の心労は、めいめい勝手な崇拝の対象を求めるだけではなく、万人が信服してその前にひざまずくことのできるような者を捜し出すことにあるのだ。どうしても、※[#始め二重括弧、1−2−54]すべての人といっしょ※[#終わり二重括弧、1−2−55]でなければ承知しないのだ。この共通な崇拝の要求が、この世の初まりから、各個人および全人類のおもなる苦悩となっている。崇拝の共通ということのために、彼らは互いに剣をもって殺戮《さつ
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