フ愛犬の足を傷つけたんだ。『どうしておれの愛犬は跛《びっこ》を引いてるのか?』とのお尋ねに、これこれで子供が石を投げて御愛犬の足を痛めたのでございますと申し上げると、『ああん、貴様のしわざなんか』と将軍は子供をふり返って、『あれをつかまえい!』と命じた。で、人々はその子供を母の手もとから引ったてて、一晩じゅう牢の中へ押しこめた。翌朝、未明に将軍は馬にまたがって、本式の狩猟のこしらえでお出ましになる。まわりには居候や、犬や、犬飼いや、勢子《せこ》などが居並んでいるが、みんな馬に乗っている。ぐるりには、召し使いどもが見せしめのために呼び集められている。そのいちばん先頭には悪いことをした子供の母親がいるのだ。やがて、子供が牢から引き出されて来た。霧の深い、どんよりした、寒い秋の日のことで、猟には持ってこいの日和《ひより》だった。将軍は子供の着物を剥《は》げと命じた。子供はすっかり丸裸にされて、ぶるぶる震えながら、恐ろしさにぼうっとなって、口さえきけないありさまなのだ。『それ、追え!』と将軍が下知をする。『走れ、走れ!』と勢子どもがどなるので、子供は駆け出した……と、将軍は『かかれ!』と叫んで
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