轤ク者でしたが、やっとおかげさまで神様が自分の心をお照らしくださって、お恵みを授けてくださりました』とやったわけさ。するとジュネーヴじゅうが騒ぎだした。ジュネーヴの町じゅうの慈善家や徳行家が大騒ぎを始めた。上流の人や教養のある人たちが、どっと監獄へ押しかけ、リシャールを抱いたり接吻したりするんだ。『おまえはわしの兄弟だ、おまえにはお恵みが授かったのだ!』当のリシャールは感きわまって泣くばかりだ。『そうです。わたしはお恵みを授かりました! わたしは少年時代から青年時代へかけて、豚の餌を喜んでいましたが、今こそわたしにも神のお恵みが授かりまして、主のお胸に死ぬることができます』『そうだ、リシャール、主の御胸に死ぬがいい、おまえは血を流したのだから、主の御胸に死ななければならぬ。おまえが豚の餌食をうらやんだり、豚の口から餌を盗んでぶたれたりした時に(これは全くよくないことだ、盗むということはどうしたって許されていないからな)、少しも神様を知らなかったのはおまえの罪ではないとしても、おまえは血を流したのだから、どうしても死ななければならないよ』やがて最後の日が来た。衰え果てたリシャールは、泣き
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