けても学校でみんないっしょになると、よく残酷になるものでしてね。皆がからかいだすと、イリューシャの心の中にけなげな精神が、むらむらと湧き起こってきたのです。普通の弱い子供なら、いいかげんに降参して、自分の父親を恥ずかしく思うところでしょうが、あれは一人で父親のために皆を向こうにまわしました。父親のために、真理のために、真実のために奮い立ったのです。あのとき、お兄さんの手に接吻しながら、『父ちゃんを堪忍してやってちょうだい。父ちゃんを堪忍してやってちょうだい』とわめいたとき、あの子がどんなつらい思いをしましたか、まあ神様お一人と、それからわたくしのほか、知る者はございませんですよ。全く、手前どもの子供は――つまり、あなたがたのじゃなくて、手前どもの子供で、――人からさげすまれていても、気高い貧乏人の子供というものは、もう九つくらいの年から浮き世の真理をわきまえますからね。金持ちなんかには、どうしてどうして一生涯かかっても、そんな深いところまでわかるもんじゃありません。ところが、うちのイリューシャときたら、例の広場で、お兄さんの手を接吻したとき、その瞬間に真理という真理を一時に試したんでご
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