時のあれの顔が、今でもありありと見えるようでございますよ。忘れられないんでございますよ、けっして、これから先も忘れはいたしません……」
「僕誓ってもいいです、」とアリョーシャは叫んだ、「兄は十分にこのうえもない誠意をもって、あなたに悔悟《かいご》の念を表わすはずです。あの広場で膝をついてまでも……無理にそうさせます。でなかったら、もう僕の兄じゃありません!」
「ははあ、ではまだ御計画中なんですね。あの人から直接に出たことでなくって、あなたの立派な情愛から出たことなんですね。そんならそうとおっしゃればよろしいのに。いや、そういうわけなら、わたくしにもお兄さんのこのうえもなく義侠的《ぎきょうてき》な、いかにも軍人らしい高潔なお心を証明させていただきましょう。お兄さんはあのとき、その高潔なお心を、立派にお示しになったのでございますからね。この鬚を引っぱり回していた手を放しなさると、『君も将校なら、おれも将校だ、もし相当の介添人が見つかったら、決闘を申しこめ。そしたら君のようなやくざ者でも、得心のいくように相手になってやる!』と、こう申されたんでございますよ。いや、全く義侠的精神じゃございませ
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