って、アリョーシャの手を取って、部屋からいきなり、通りへ引っ張り出した。

   七 清らかなる外気のうちに

「空気が澄んでおりますな。わたしのお屋敷の中は、実際、いろんな意味で申しましても、あんまりせいせいしておりませんで。まあ、ゆっくり、まいりましょう。わたくしはおもしろいことをお聞かせしたいと思いましてな」
「実は僕も、たいへんな問題があるんですけれど……」とアリョーシャが言った、「さて、どういう風に切り出していいか迷っているんです」
「あなたがわたくしに用件のあることを、知らずにいるはずはございません。用がなかったら、けっして、わたくしのところなぞ、のぞいて御覧になることもなかったはずですからね。それとも実際に、子供のことを言いつけにいらっしただけなんでございましょうか? それはどうも受けとれませんでしてね。それはそうと、ついでに子供のことをちょっとお話しいたしましょう。さきほどあの席では、すっかりお話ができなかったものですから、今ここであのときの様子を詳しく申し上げることにしましょう。御覧なさいまし、この糸瓜《へちま》もつい一週間前までは、もう少し厚かったのでございますよ、
前へ 次へ
全844ページ中595ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング