この人がお嫁さんをもつなんて、考えてもおかしいじゃないの。おそろしいじゃないの?」
 リーズはずるい眼つきをしてアリョーシャを眺めながら、絶えず小気味悪く、かすかに笑うのであった。
「え、どうして結婚なんてことを、リーズ、なんだっておまえはそんなことをだしぬけに言いだすの? そんなことを言う場合じゃありませんよ……それに、その子供はひょっとしたら、恐水病にかかってるかもしれないじゃないの」
「あら、お母さん! 恐水病の子供なんているものなの?」
「いないって、なぜ? まるでわたしがばかなことでも言ったみたいだわね。もしその子供に狂犬がかみついたとしたなら、今度はその子供が、手近の人をかむようになるんですよ。まあ、リーズは、じょうずに包帯をしましたねえ、アレクセイさん。わたしには、とてもうまくできませんわ。今でも痛みますの?」
「もうたいしたことはありません」
「ときにあなたは水がこわくありませんの?」リーズは尋ねた
「さあ、もうたくさんよ、リーズ。全くわたしもあんまりあわてて、恐水病の子供なんて言いだしたけれど、すぐおまえはそんなばかなことをもちだすんだもの。ときに、カテリーナさんはあ
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