A再び床に横たわったが、もう目をつむろうとして、急にアリョーシャのことを思い起こしたので、そばへ呼んでくれるように言った。アリョーシャはすぐに駆けつけた。長老のわきにはパイーシイとヨシフ、それに新発意《しんぼち》のポルフィーリイがいるばかりであった。長老は疲れ果てた眼を見開いて、じっとアリョーシャを見つめていたが、いきなり問いかけた。
「家の人たちがおまえを待っておるじゃろうな、おまえ?」
 アリョーシャはどぎまぎしていた。
「おまえに用のある人はありはせんか? 昨日、誰かに今日行くと約束はしなかったか?」
「いたしました……お父さんと……兄さん二人と……それからほかの人にも……」
「それ。ぜひとも行きなさい。心配しないがよい。わしはな、おまえのそばで、この世における最後のことばを言わずに死ぬようなことはないんじゃから。この最後のことばはおまえに言うのじゃ、ね、アリョーシャ、おまえに言いのこすのじゃ。なぜというて、おまえはわしを愛してくれるで。しかし、今は約束した人たちのところへ行くがいい」
 アリョーシャはこの場を離れるのがつらかったが、すぐに、このことばに従った。しかし、師のこの世
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