ュばかげたものに思われたからである。それに自分などが偉そうに、婦人についての意見を述べ立てたことを恥ずかしくも思った。そういうことがあっただけに、いま自分のほうへ駆け出して来たカテリーナ・イワーノヴナを一目見た時には、もしかしたら、あのときの考えはまるで間違っていたかもしれないと思ったほど、彼の驚きはなおさら大きかったのである。今の彼女の顔には、偽りならぬ率直な善良さと、一本気な熱しやすい真心とが輝いていた。前にあれほどアリョーシャを驚かした『誇りと驕慢《きょうまん》』が、今はただ勇敢で高潔な精力と、何か明朗な力強い自信となって現われているのであった。アリョーシャは彼女を一目見るなり、ひと言その声を聞くなり、彼女の愛する男とのあいだの悲劇的関係が、彼女にとって少しも秘密でないばかりか、彼女はもういっさいのことを、何から何まで知り抜いているのだろうと直感した。とはいえ、それにもかかわらず、彼女の顔には未来に対する信仰と光明が満ち溢《あふ》れていた。アリョーシャは急に、自分が彼女に対して重大な故意の罪を犯しているような気がし始めた。彼はたちまちにして征服せられ、引きつけられてしまったのであ
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