ェたくさんに配置され、壁には絵が掛けてあり、テーブルの上には花びんやランプが置かれて、花卉《かき》の類もたくさんあった。そればかりか、窓ぎわには魚を放ったガラス箱さえすえてあった。たそがれどきのことで部屋の中は幾らか薄暗かった。つい今しがたまで人の坐っていたらしい長椅子の上には、絹の婦人外套が投げ出してあり、長椅子の前のテーブルの上には、チョコレートを飲み余した茶碗が二つと、ビスケットや、青い干葡萄《ほしぶどう》のはいったガラス皿《ざら》、それから菓子を盛ったもう一つの皿が、そのままになっている、どうも誰かを供応していたらしい。アリョーシャは来客の中へ飛びこんで来たなと、気がついて思わず眉をしかめた。しかしその瞬間に帷《とば》りが上がって、カテリーナ・イワーノヴナが喜ばしそうに微笑を浮かべて、両手をアリョーシャのほうへ差し出しながら、せかせかした急ぎ足ではいって来た。それと同時に、女中が火をともした蝋燭《ろうそく》を二本持って来て、テーブルの上に置いた。
「まあ、よかったこと。とうとうあなたもいらしてくださいましたわね! わたし今日一日じゅう、あなたのことばかり神様にお祈りしていました
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