の果《み》を結ぶべし。
[#ここから22字下げ]
ヨハネ伝第十二章第二十四節
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]
[#天から3字下げ]アンナ・グリゴリエヴナ・ドストイエフスカヤにおくる
[#改ページ]
作者より
この物語の主人公アレクセイ・フョードロヴィッチ・カラマゾフの伝記にとりかかるに当たって、自分は一種の懐疑に陥っている。すなわち、自分は、このアレクセイ・フョードロヴィッチを主人公と呼んではいるが、しかし彼がけっして偉大な人物でないことは、自分でもよく承知している。したがって、『アレクセイ・フョードロヴィッチをこの物語の主人公に選ばれたのは、何か彼に卓越したところがあってのことなのか? いったいこの男が、どんなことを成し遂げたというのか? 何によって、誰に知られているのか? いかなる理由によって、われわれ読者は、この人間の生涯の事実の研究に時間を費やさなければならないのか?』といったたぐいの質問を受けるにきまっていることは、今のうちからよくわかっている。
この最後の質問は最も致命的なものである。それに対しては、ただ、『御自分でこの小説をお読みになられたら、おそら
前へ
次へ
全844ページ中3ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング