られて、自分を見ているかどうかと、娘のほうへふり返って見た。するとリーズはほとんど安楽椅子から身を乗り出すようにして、横手からじっと彼を見つめながら、彼が自分のほうへふり向くのを一心に待ち構えていたのだ。そこでまんまと彼の視線を捕えると、長老ですら我慢がならないような笑い声をあげてしまったのである。
「どうしてあんたはこの人にそう恥ずかしい思いをさせなさるのじゃな、悪戯《いたずら》っ児《こ》さん?」
リーズは突然、全く思いがけなくまっかになって、目を輝かした。彼女の顔は恐ろしくきまじめになった。彼女はいきり立った不平満々たる調子で、早口に神経的にしゃべりだした。
「じゃあ、どうしてこの人は何もかも忘れてしまったの? だって、この人はあたしが小さいころ、よくあたしを抱いて歩いたり、いっしょに遊んだりしたのよ。それから家へ来てあたしに読み方を教えてくれたのよ、あなたはそれを御存じ? 二年前に別れるときも、あたしのことはけっして忘れない、二人は永久に、永久に、永久に親友だって言ったわ! それだのに、今になって急にあたしをこわがりだしたんですもの。あたしがこの人を取って食べるとでもいうのでし
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