ェって、※[#始め二重括弧、1−2−54]秘密※[#終わり二重括弧、1−2−55]を手にした姦婦《かんぷ》の面皮を引っ剥《ぱ》がし、その紫色のマントを引き裂いて、※[#始め二重括弧、1−2−54]醜い体※[#終わり二重括弧、1−2−55]を裸にするということだ。もっとも、その時はわしが立ち上がって、罪を知らぬ何億という幸福な幼児を、おまえに指さして見せてやる。彼らの幸福のために彼らの罪を一身に引き受けたわれわれは、おまえの行く手に立ちふさがって、※[#始め二重括弧、1−2−54]さあできるものならわれわれをさばいてみろ※[#終わり二重括弧、1−2−55]と言ってやる。いいかえ、わしはおまえなんぞを恐れはしないぞ。いいかえ、わしもやはり荒野へ行って、いなごと草の根で命をつないだことがあるのだぞ。おまえは自由をもって人間を祝福したが、わたしもその自由を祝福したことがあるのだ。わしも※[#始め二重括弧、1−2−54]数の埋め合わせ※[#終わり二重括弧、1−2−55]をしたいという渇望のために、おまえの選ばれたる人々の仲間へ――偉大なる強者の仲間へはいろうと思ったこともある。しかしあとで眼がさめたから、気ちがいに仕えることが嫌になったのだ。それでまた引き返して、※[#始め二重括弧、1−2−54]おまえの[#「おまえの」に傍点]仕事を訂正した※[#終わり二重括弧、1−2−55]人々の群れに投じたのだ。つまり、わしは傲慢《ごうまん》な人々のかたわらを去って、謙遜《けんそん》な人々の幸福のために、謙遜な人々のところへ帰って来たのだ。今にわしの言ったことは実現されて、われわれの王国は建設されるだろう。くり返して言うが、明日はおまえもその従順な羊の群れを見るだろう。彼らは、わしがちょっと手で合い図をすれば、われがちにおまえを焼く炬火へ炭を掻《か》きこむことだろうよ。それはつまり、おまえがわれわれの邪魔をしに来たからだ。実際、もし誰か、最もわれわれの炬火に焼かれるにふさわしい者があるとすれば、それはまさしくおまえだ。明日はおまえを焼き殺してくれるぞ。Dixi(これでおしまいだ)』」
イワンは口をつぐんだ。彼は話しているうちにすっかり熱して、酔ったようになって話を続けたが、語り終わった時、不意ににやりとした。
黙々としてずっと聞き入っていたアリョーシャは、しまいには異常な興奮を覚えて
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