、三親戚へ、ごぶさたのおわびに廻って、これから、もう一軒、顔出しせねばならぬから、と、ともすれば、逃げ出そうとするのを、いや、その一軒を残して置くほうが、人生の味だ、完璧《かんぺき》を望んでは、いけませんなどと屁理窟《へりくつ》言って、ついに四升のお酒を、一滴のこさず整理することに成功したのである。
底本:「太宰治全集10」ちくま文庫、筑摩書房
1989(平成元)年6月27日第1刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版太宰治全集」筑摩書房
1975(昭和50)年6月〜1976(昭和51)年6月
初出:「知性」
1940(昭和15)年3月1日
入力:土屋隆
校正:noriko saito
2008年8月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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