の御亭に下さる、同十五日、仙洞より御対面有る可きの由仰下さると雖も、辺鄙の老尼竜顔に咫尺すること其益無し、然る可からざるの旨之を申され、諸寺礼仏の志を抛ち、即時下向し給ふと云々。
同年。六月小。廿日、庚申、霽、内蔵頭忠綱朝臣勅使として下向す、先づ御車二両、已下御拝賀料の調度等、之を舁かしむ、疋夫数十人歩列す。廿一日、辛酉、晴、午剋、忠綱朝臣件の御調度等を御所に運ばしむ、御車二両、九錫彫の弓、御装束、御随身の装束、移鞍等なり、是皆仙洞より調へ下さると云々、将軍家、忠綱朝臣を簾中に召して御対面有り、慇懃の朝恩、殊に賀し申さると云々、凡そ此御拝賀の事に依りて、参向の人已に以て数輩なり、皆御家人等に仰せて、毎日の経営、贈物、花美を尽す、是併しながら、庶民の費に非ざる莫し。廿七日、丁卯、晴、陰、将軍家大将に任ぜられ給ふの間、御拝賀の為、鶴岳宮に参り給ふ、早旦行村の奉として、御拝賀有る可きの由を、下向の雲客等に触れ申す、申の斜に其儀有り。
同年。七月大。八日、丁丑、晴、左大将家御直衣始なり、仍つて鶴岳宮に御参、午剋出御、前駆並びに随兵已下、去月廿七日の供奉人を用ゐらる。
同年。八月大。十五日、癸丑
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