茶の本
茶の本
岡倉覚三
村岡博訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)唐《とう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)液体|琥珀《こはく》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「女+咼」、第3水準1−15−89]
[#…]:返り点
(例)浮雲出[#レ]山者輪薗然。
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目次
第一章 人情の碗
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茶は日常生活の俗事の中に美を崇拝する一種の審美的宗教すなわち茶道の域に達す――茶道は社会の上下を通じて広まる――新旧両世界の誤解――西洋における茶の崇拝――欧州の古い文献に現われた茶の記録――物と心の争いについての道教徒の話――現今における富貴権勢を得ようとする争い
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第二章 茶の諸流
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茶の進化の三時期――唐《とう》、宋《そう》、明《みん》の時代を表わす煎茶《せんちゃ》、抹茶《ひきちゃ》、淹茶《だしちゃ》――茶道の鼻祖陸羽――三代の茶に関する理想――後世のシナ人には、茶は美味な飲料ではあるが理想ではない――日本においては茶は生の術に関する宗教である
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第三章 道教と禅道
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道教と禅道との関係――道教とその後継者禅道は南方シナ精神の個人的傾向を表わす――道教は浮世をかかるものとあきらめて、この憂《う》き世の中にも美を見いだそうと努める――禅道は道教の教えを強調している――精進静慮することによって自性了解《じしょうりょうげ》の極致に達せられる――禅道は道教と同じく相対を崇拝する――人生の些事《さじ》の中にも偉大を考える禅の考え方が茶道の理想となる――道教は審美的理想の基礎を与え禅道はこれを実際的なものとした
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第四章 茶室
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茶室は茅屋《ぼうおく》に過ぎない――茶室の簡素純潔――茶室の構造における象徴主義――茶室の装飾法――外界のわずらわしさを遠ざかった聖堂
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第五章 芸術鑑賞
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美術鑑賞に必要な同情ある心の交通――名人とわれわれの間の内密の黙契――暗示の価値――美術の価値はただそれがわれわ
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