くらげのお使い
楠山正雄
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《テキスト中に現れる記号について》
《》:ルビ
(例)海《うみ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)八|本足《ほんあし》
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一
むかし、むかし、海《うみ》の底《そこ》に竜王《りゅうおう》とお后《きさき》がりっぱな御殿《ごてん》をこしらえて住《す》んでいました。海《うみ》の中のおさかなというおさかなは、みんな竜王《りゅうおう》の威勢《いせい》におそれてその家来《けらい》になりました。
ある時《とき》竜王《りゅうおう》のお后《きさき》が、ふとしたことからたいそう重《おも》い病気《びょうき》になりました。いろいろに手《て》をつくして、薬《くすり》という薬《くすり》をのんでみましたが、ちっとも利《き》きめがありません。そのうちだんだんに体《からだ》が弱《よわ》って、今日明日《きょうあす》も知《し》れないようなむずかしい容体《ようだい》になりました。
竜王《りゅうおう》はもう心配《しんぱい》で心配《しんぱい》で、たまりませんでした。そこでみんなを集《あつ》めて「いったいどうしたらいいだろう。」と相談《そうだん》をかけま
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