計十三冊に到った。とはいえ「宣言」の理想は全部とげられた訳ではない。寧ろ、今まではその準備であって、これからの仕事なのである。しかし二月四日夜の編集会議は、思いかけずも最後の会議となって遂に休刊的終刊を決定したのであった。休刊的終刊というのは、すべてに刀おれ矢つきた訳ではない、不日の続刊の力を残して、いわば一層徹底した持久体制に這入ったものといっていいであろう。
 以上、一段落を告げる「シュピオ」の終刊号に際して本誌の小史を述べ、今後とも御支援をお願いする次第である。
[#地付き](「シュピオ」一九三八年四月号)



底本:「「シュピオ」傑作選 幻の探偵雑誌3」ミステリー文学資料館・編、光文社文庫、光文社
   2000(平成12)年5月20日初版1刷発行
初出:「シュピオ」
   1938(昭和13)年4月号
入力:網迫、土屋隆
校正:門田裕志
2005年3月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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