ナも、浮気《うはき》でも、
わたしの膝にのしかかり、
甘《あま》い煙草《たばこ》の口《くち》うつし、
どうして其れが憎《にく》からう。

霰《あられ》、霰、真赤《まつか》な霰、
カスタネツトの降るままに、
執《と》つて、抱《かか》へて、引くままに、
吸ひつく様な、飛ぶ様な
とろける様な一踊《ひとをど》り。
[#地付き](一九一二年三月七日の夜巴里にて)



底本:「スバル」昴発行所
   1912(明治45)年4月号
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の旧字を新字にをあらためました。
※底本の署名には、「よさの、ひろし」とあります。
入力:武田秀男
校正:門田裕志
2003年1月23日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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