嘩の仲裁をして遣つたりする事があつても、セルギウスは人の礼を言ふのを待たずに、その場を立ち退く。さうしてゐるうちに、次第にセルギウスの心に神の啓示が現れて来た。
 或る時セルギウスは婆あさん二人、癈兵一人と連になつて、街道《かいだう》を歩いてゐた。
 すると紳士と貴夫人とが、馬の挽いた橇に乗つて来た。その側には今一人の紳士と今一人の貴夫人とが騎馬で付いてゐた。橇の中の貴夫人は年を取つてゐて、その夫と娘とが馬に乗つて附いてゐるのらしい。橇の中にゐる男は旅中の外国人である。多分フランス人だらう。
 此一行がセルギウス等を見て馬を駐《と》めた。フランス人らしい男に 〔les《レエ》 pe`lerins《ペルレン》〕(巡礼)を見せようと云ふのである。巡礼と云ふものは、乞食をして歩くもので、百姓の迷信を利用して生活して行くのだと思つてゐる人達である。一行は巡礼に分らせない積りでフランス語で会話をしてゐる。
 フランス人らしいのが云つた。「〔Demandez《ドマンデエ》 leur《リヨオル》, s'ils《シル》 sont《ソン》 bien《ビエン》 su^rs《シユウル》 de《ド》 ce《シ
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