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一人で去る。
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老僧 思わぬ事でお疲れがましました。
人々は帰ってもらう様に致しましょう。
法王 何のそれには及ばぬ。さあ。
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また祈りが始まる。
父親に手を引かれて小さい男の子が出る。
父親がひざまずけと云ってもしない。
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子供 阿父ちゃん、いや。
父 そんな事云うもんじゃあないよ、ね。
さあ、いつもお寺でする様におし。
子供 お寺じゃあないもん。
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父の手からぬけて遠慮なく法王のすぐそばに立つ。
止め様とする父親を法王は止める。
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子供(無邪気に云う)ね、法王様って偉いの? 大変うちの父ちゃんはあんまり偉くてこわいんだって。
法王 お前の方が好い児だからじゃ。
子供 だって阿母ちゃんは私を悪い児って叱っても、父ちゃんを叱った事ちょっとだってありゃしない。
そいからねえ、
坊に、木馬買って呉れない?
一度も、坊の処へ、クリスマスのおじいちゃんが来ないんだもの。
法王 よしよし可愛い児じゃ。
若しそう出来たら、買ってやろうね。
子供 ええ、きっとね。
さようなら、またあしたね。
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他の人より長い祝福をうけて去る。
法王は十五許りの青白い体のほそい娘の頭に手を置く。
外で不信心な遊び者がほうけた声で唄って行くのが聞えて来る。
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でこうて半間の猟人は
或る日ひょんなこってララ
狐《きつね》つかまえた――
皮はごか――やれ煮て食おか
廻りかねたる智恵助に
憂き目を見せてござるうち
こすい狐はうまうまと
ばかしおおせて猟人を
あちら、こちらと、引き廻す
西へ五里、東へ三里とあゆむうち
でっかい沼についた時
長い旅故疲れたろ
水なと浴びて行きなされ
狐は笑うて云うたげな
雪はコンコン、霰サラサラ
冬の最中《さなか》であった故
衣裳を抜《ぬ》ぐとそのまんま
いてて仕舞《しもう》たとやれそれ
なんまいだあ トララヨウ――
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祝福を願って集った人の群はますます数をます。
広場には人のどよめきと共に話す人声が随分とやかましい。
うす闇のたちこ
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